TRPGって何だ?


このページにいらっしゃった方なら、おそらくRPGという言葉は、少なくとも聞いたことはあるでしょう。
その頭に『T』がくっついた『TRPG』とはいったいなんぞや??
ここではそれを説明します。


1、TRPGとRPG

 TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)は現在よく言われるRPG(ロールプレイングゲーム)のお父さん(お母さんでもいいけどね)のようなものです。
 TRPGという呼び方は、現在のコンピューターゲームによるRPGが有名になってから、区別のために創られたもので、
 もともとはTRPGの方がRPGと呼ばれていました。(アメリカなどでは今でもそう呼んでおり、逆にコンピューターのRPGのことはRPGとは呼ばないそうです)
 さて、そもそもRPGとはなんでしょう?
 キャラクターが成長するゲーム? ストーリーのあるゲーム?
 コンピューターRPGにはそう言った言葉も当てはまります。しかし、もともとのRPGの意味とは、また別のところにあります。
 ロール・プレイング・ゲーム。
 ロールは『役割』という意味です。プレイはこの場合は『演じる』となります。ゲームはそのままですね。
 つまり役割を演じるゲーム。
 何のことだか良く分かりませんね。
 役割とは、この場合、『キャラクター』と置き換えてもいいでしょう。
 『キャラクターを演じるゲーム』
 そう、基本は『ごっこ遊び』なのです。
 しかしただのごっこ遊びが世界的なゲームとして広まるはずもありません。
 きちんとしたルールの下でのごっこ遊び、それがRPGです。
 たとえば、あなたは『ファンタジー世界の盗賊』というキャラクターを演じるとします。
 鍵のかかった扉の前に来た時、普通は盗賊ですから鍵を開けようとするでしょう。
 それが成功するか失敗するか? それはルールに基づいて、サイコロとそのキャラクターの能力によって決まります。
 キャラクターの能力が高ければ当然、鍵を開けられる可能性は高くなります。
 また、能力が低くても運がよければ(サイコロの目がよければ)開けられるかもしれません。
 この『サイコロ』の部分をコンピューターに任せたものが、コンピューターRPGの始まりでした。
 今でも『主人公は喋らない』というこだわりを持っている有名コンピューターRPGシリーズがありますが、それは『主人公はプレイヤーが演じるもの』という考え方が少なからず関係しているのです。


2、ゲームマスターとプレイヤー

 TRPGの大まかな意味は理解できたでしょうか?
 出来ない? 当然です。
 実はまだ、肝心なことを話していないのですから。
 具体的に、TRPGとはどのようにしてプレイするのか。それをここで話しましょう。
 まず、TRPGは一人ではプレイできません。
 最低でも二人。しかし二人でプレイしても何も面白くありません。
 推奨人数は4人〜8人程度。
 そしてその中で一人は『ゲームマスター』(GM)という役目を負います。
 GM以外の参加者は『プレイヤー』と呼ばれます。
 GMとプレイヤーそれぞれについて、役割を見ていきましょう。

プレイヤー

 プレイヤーは、ゲーム自体の前にまず、ルールに基づいて自分のキャラクターを製作します。
 ルールは、様々なものがあります。(このサイトでは、別の項目でオリジナルのルールを掲載しています)
 とにかく、ルールの許す範囲で、お好みのキャラを作ってください。
 名前、性別、能力、性格……
 そのキャラクターを自分が演じることになります。
 ゲーム自体については下で述べます。

ゲームマスター

 ゲームマスターは、ゲームの司会進行役です。
 ゲームが始まる前に、シナリオを作ります。
 そして実際のゲームが始まったら、そのシナリオに基づいてストーリーを語ります。
 そのストーリーに対してプレイヤーがどのような行動をとるかによって、ストーリーは様々に分岐するでしょう。
 GMは考えられる範囲で、その全ての分岐に対する『回答』を用意しておきます。
 もちろんGMが予想すら出来なかった行動をプレイヤーが起こすこともあるでしょう。アドリブでそれをどう切り抜けるかも腕の見せどころです。
 TRPGにある程度なれた人がGMになるのが望ましいとされています。


3、行為判定

  さて、ゲームをプレイ中、『判定』というものを要求されることがあります。
  これは、ある行為が上手くいったかどうかを文字通り、判定することです。
  判定にはサイコロを使います。
  ルールに基づき、サイコロの出目とキャラクターの能力によって成否が判定されます。
  具体的なルールは別項を設けてあります。


4、実際のプレイ・準備編

 抽象的なことばかりでよくわからない! という方に、実際のプレイを中継いたしましょう。

 まず、プレイの数日前、参加者が集まって相談しています。

参加者A 「今度TRPGやろうぜ」
参加者B 「じゃあ、ルールは○○を使おうか」
参加者C 「D、君、GMやらない?」
参加者D(以下、GM) 「別にいいよ。じゃあ、みんなとりあえずキャラ作って」

 こうしてキャラ作りが始まります。
 それぞれにルールに基づいてキャラを作ったようです。

参加者A(以下、ムオル)「俺のキャラは『ムオル』って言う戦士だ。能力とか性格はこんな感じ(キャラの能力を書いたシートを渡す)
GM    「なるほど、このくらいの強さか」
参加者B(以下、ルザミ)「わたしは『ルザミ』って言うキャラを創ったわ(シートを渡す)」
GM    「ふーん……魔法使いか」
参加者C(以下、レーベ)「ボクはレーベって言う盗賊を作ったよ」
GM    「戦士、魔法使い、盗賊。一通り必要なキャラはそろってるな。じゃあ、シナリオ考えるから、○月×日にプレイしよう」
全員   「了解〜」

 参加するキャラを確認したGMは家に帰ってシナリオ創りをはじめます。

GM    「ムオル達は既に知り合ってて、冒険者という設定にしておけば無難だろうな
       シナリオは町で殺人事件が起こるところからはじめよう。
       犯人探しに莫大な賞金がかかっていることにすれば、ムオルは『金にうるさい』という性格だったから
       多分、犯人探しをはじめるだろう。
       もしやらなかったら、被害者の息子に泣きつかせてみるかな。
       ルザミは『子供好き』という性格らしいから、断りきれないはずだ」

 キャラの性格はプレイヤーが決定したものです。  
 キャラの性格や能力を把握してからシナリオを創るのが正しいやり方でしょう。

GM    「情報はこんな風に散らばらせて、上手く交渉すればちゃんと謎が解けるようにしないとな。
       交渉が特異な盗賊もいるし、そんなに難しくは無いだろう。
       あるいは別の方法でこんな風なやり方で解決するルートがあってもいいな」

 シナリオは、きちんとバランスを考え、クリアできるように作るのが原則です。
 かといって、何もしないでもクリアできるようでは面白くありません。そのあたりが難しいところです。
 また、一本道のシナリオはなんともつまらないものです。
 プレイヤーの判断によって様々に分岐し、そのどの道を通ってもきちんと何らかの結末に辿り着けるようにしなければなりません。

GM    「敵はこんな強さでいいかな。三人しかプレイヤーがいないから、あんまり強すぎてもダメだし」

 当然のように、敵との闘いもあるでしょう。
 強さのバランスは重要です。

GM    「よし、こんなもんか」

 どうやらシナリオが完成したようです。
 では、プレイの日まで時間を飛ばしましょう。


5、実際のプレイ・実戦編

 プレイ当日

GM    「みんな集まったな、じゃあゲームを始める」
全員   「オー-ッ!」
GM    「君たちはアルツールという町にいる冒険者だ。
       そろそろ懐も寂しくなってきたし、何か仕事は無いかと考えている」
ルザミ  「でも私は結構お金余ってるのよね〜♪」
GM    「茶々入れるな(苦笑)」
ムオル  「じゃあとりあえず事件探すか。早く乱れろ平和---!!」
レーベ  「ムオルって危険人物なんじゃない?」
ムオル  「冒険者なんてそんなもんだろ」
GM    「と、いうわけで危険人物の君たちにとっては喜ばしいことに、
       この町の善良な市民には悲しいことに、酷い事件が起こっているらしいのだ」
レーベ  「わーい、酷い事件だ〜」
GM    「なんと、この町で殺人事件が起きたらしい」
ムオル  「ほう?」
GM    「そんなわけで町は今、大騒ぎ」
ムオル  「とりあえず……そういう事件を取り扱ってる警察みたいな組織は無いのか?」
GM    「もちろん、ある。でも小さな町だし、それほど力を持ってるわけじゃないよ。警備隊の事務所に行ってみる?」
ルザミ  「まずは行ってみましょうか。私はお金に困ってないけど♪」
GM    「警備隊の事務所では『どうしよう、どうしよう』という感じで悩んでる警備隊員が何人かいるね」
レーベ  「さては捜査が上手くいってないんだね?」
GM    「『ああ、こんな事件はこの田舎町では珍しいからな』と、警備隊員は悩んでるね」
ムオル  「フフン♪ 俺たちに任せてみないか? もちろんそれなりの報酬はもらうが」
GM    「『それは助かる!』」
レーベ  「で、いくらくれるの?」
GM    「『まあ、とりあえず……一人400金ぐらいは』」
ムオル  「安い!! 一人500にしろよ!」
GM    「『ウチの事務所も財政が……』」
ムオル  「じゃあ好きにすれば? 俺たち手伝わないから」
GM    「『グッ……、分かったよ。500金だ。ただし犯人を捕えた場合だけだぞ』ったくがめつい……」
ムオル  「オッケ〜♪」


 さて、ここで解説。
 ムオル達プレイヤーは結構好き勝手なことを言ってますね。
 これはプレイヤーがキャラの設定(能力、性格、所持金など)に基づいて自由に発言しているものです。
 さらにGMは途中で警備隊員の台詞を喋っています。
 GMにはこういった脇役の台詞を演じるという役割もあるのです。


ムオル  「さて、事件の概要を聞こうか」
GM    「『殺されたのはガラハドという男だ。裏通りで、頭を殴られて死んでいた。
        名のある冒険者だったらしいが………』」
ルザミ  「へえ? 有名なんだ? 私たちも知ってるの?」
GM    「知ってるかどうかは……キャラの知力とサイコロの目で決まる(笑)
ルザミ  「私の知力はこんなもん(シートをさす)で、サイコロは(コロコロ)こんな目が出たよ」
ムオル  「俺もやるぞ。知力がこうで、サイコロは(コロコロ)こんな感じ」
レーベ  「ボクも(コロコロ)アッ! 大成功だ!」
GM    「本当? とりあえずサイコロからしてレーベとルザミは知ってる。
       ムオルは全然知らない」
ムオル  「俺だけかよ〜」
ルザミ  「頭悪いのね」
レーベ  「知力低すぎ」
ムオル  「違う! 悪かったのはサイコロの出目だ!」
GM    「で、とりあえずガラハドという男はあちこちで武勲を上げた冒険者だね。
       大成功したレーベは彼がつい最近、『アイスソード』という名剣を手に入れたことも知ってるね
       (この情報は酒場とかで情報収集をしたら手に入る予定だったんだけど、大成功なら教えてもいいか)」
レーベ  「なるほど。ところでそのアイスソードは?」
GM    「警備隊員によるとそれらしいものは無かったってさ」
ルザミ  「なるほど〜。つまり殺されて奪われたのね」


 さてさてさらに解説
 ここでサイコロが登場しました。
 上で説明した『判定』です。
 キャラクターの能力とサイコロの目によって、その行為が成功したかどうか
 この場合、『ガラハド』について知っているかどうかを判定します。
 ルザミは知力が高く、サイコロの目も悪くなかったので成功しました。
 ムオルは知力が低い上にサイコロの目も悪かったため失敗です。
 レーベはサイコロの目が特別な組み合わせ(ルールによって違います)だったため、『大成功』となりました。
 『大成功』ならば普通に成功したとき以上の結果が得られます。
 この場合、GMは得られる情報の内容をプラスしたようです。
 これによってプレイが楽になるかもしれません。


ムオル  「ガラハドが殺されてアイスソードが奪われた、か
       アイスソードって言うのはどういうものなんだ? そもそも何処で手に入れたんだ?」
GM    「手に入れた場所はレーベにはわかるよ。この町の武器屋だ」
ルザミ  「普通に売ってるの?」
GM    「普通は売ってない」
レーベ  「うーん。とりあえずその武器屋の人にアイスソードについてとか、色々聞いてみない?」
ムオル  「それより俺は事件が起きた現場に行ってみたいな。警備隊員が見落としてる手がかりがあるかもしれない」
ルザミ  「私は酒場とか噂が集まる場所でガラハド自身に付いてもっと聞いて見たいわね〜
       最近ガラハドに接触した人がいるかどうか、とか」
GM    「まあ、ゆっくり考えてくれ」


 プレイヤーたちが悩んでいる間にGMを呼んできましょう。
 おーい、GM!

GM 「なんだよ、急に」

 ここでプレイヤーは様々な方法を考え始めましたね。
 これは予想通りですか?

GM 「一応ね。とりあえず常識で考えられる範囲のことは対応できると思う」

 では、武器屋にいった場合は?

GM 「アイスソードの仕入先について、武器屋の親父は嘘をついて隠そうとする
    実はちょっとした秘密があるんだ。それがこの事件とも関係してる。
    親父の嘘を見抜けるかどうかはプレイヤーの判断力とキャラの能力次第かな」

 なるほど。事件現場に行った場合は?

GM 「犯人の遺留品が実はある。小さな金属のかけらなんだけど、シナリオに関係してる。
    ただ、それを見つけられるかどうかはサイコロと能力次第だけど」

 で、酒場で情報を集めた場合は?

GM 「単なる噂話(偽情報)と共に有用な情報もある
    具体的にはガラハドに剣を譲って欲しいといっていた人間が何人もいる、って言うことが分かる」

 なるほどね。そしてその後の展開は?

GM 「プレイヤーがどう動くかによるよ
    親父の嘘を見抜いたら本当の事を知るために武器屋に忍び込むかもしれないし
    あるいはアイスソードについての文献を当たるかもしれない
    遺留品を見つければそれがどんなものなのか調べるだろうし
    アイスソードを欲しがっていた奴の情報を手に入れればそれが誰なのかを探すかもしれないし
    でも、どの道をたどってもプレイヤーがよほど馬鹿なことをしない限り、話は進んでいく予定だよ」

 プレイヤーが予想外の行動を起こしたらどうするんですか?

GM 「それこそ腕の見せ所じゃないか。アドリブで話を上手くつなげて本来のルートに誘導するよ
    そういうのが案外、一番楽しいんじゃないかな」

 さすがGM。
 ありがとうございました。
 さて、そろそろムオル達の次の行動も決まったようです。
 彼等の冒険がどのような結末を迎えるのか……それはサイコロだけが知っています。


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 雰囲気だけでも分かっていただけたら幸いです。
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